2017/09/21

アイルランドで感じたアイリッシュ・セッションの本質

 パイントグラスに注がれる琥珀色の泡が底に沈む様子を、僕はカウンター
越しに「おあずけ」 をされている犬のように待っていた。

 「ここのパブのギネスはアイルランドでも一番うまいんだ」と友人でフル
ート奏者のキアラン・サマーズ(Ciaran Somers)がためらいもなくお国自
慢を披露した。

 アイルランドではどんな小さな町にもパブと墓場だけはあると自虐的に言う
くらい、アイルランド人の生活に密着したパブ。この皮肉は、教会ではなく墓
場であるところがアイルランド人らしい。確かに、なんの特色もないこの街で、
アイルランドで一番美味しいギネスが飲めるというのはなかなかの宣伝文句に
なるかもしれないな、と思いながら、アイルランドで最初の一杯を飲んだ。

 エールやスタウトはUKやアイルランドには何百種類もあるが、ギネスは世界
中に輸出して大成功しているだけあって、実にうまい。この旅では、この後
各国のビールやエールを飲んだが、ギネスはやはり特別だった。複雑な苦味や
喉を通る泡の柔らかさが癖になる。

 これまで度々アイルランドに通った自分でもカウンティ・カーロウ
(Co.Carlow)は、聞いたこともないような場所だった。ブルターニュからフェ
リーに乗って入国したアイルランドの旅の出発地点がカーロウだ。それから数
日して、僕たちは西を目指して車を走らせた。

 カウンティー・クレア(Co.Clare)の小さな村ミルタウン・マルベイ
(Miltown Malbey)では毎年7月にアイルランド最大のサマースクールウィ
リー・クランシー・サマースクール(WIllie Clancy Summer School)が開催
されており、国内はもちろん世界中から人を集めている。 キアランはここで、
何年か前からフルートの講師を担当しており、僕を誘ってくれたのだ。

 サマースクールの期間中はメインストリートの何軒ものパブでセッションが
開催されている。レッスンを申し込まなかった僕はセッションに参加すること
だけが楽しみだったのだけれど、その期待はあっさり失望に変わってしまった。
 どこのパブもとくかく人が隙間ないほどに詰め込まれていて、通りにも人を
吐き出していたのだ。フルートを構えるスペースすらなく、立って聴いている
のが精一杯で、結局参加できたセッションはいくつかしかなかった。

 田舎のパブは店と居住空間が一体化した店舗兼住宅の形が多いのだが、この
期間中はセッションに人が集まりすぎて、メインのパブのほか、裏庭や納屋や
母屋のダイニングなど至る場所で同時発生している。そういう「秘密の」セッ
ションは人数も観客も少なめでよい音楽が聴けることがある。

 昼下がりの明るい時間にダイニングで開かれたセッションでのことだった。
そこには、講師でもあるベテランのフルート奏者やフィドル奏者、そして若い
コンサーティーナ奏者など何人かの若い参加者がいた。ダンス曲を演奏しては、
たっぷり話をして、また曲を演奏して……、を繰り返しながらゆっくりと時間
が過ぎていった。

 見慣れたセッションと違ったのは、そこに色々な要素があったことだ。曲の
合間に観客の誰かが歌いだしたり、参加者が合唱したり、子供が習いたての曲
を笛で吹いたり、音楽に合わせて熟練のダンサーが踊りだしたり、 そして
ジョークやストーリーを語ったり、スペイン語圏からの観客がスペイン語の歌
を披露したりした。

 セッションに決まった形はないが、このセッションはその流れが一つの物語
性やよく考えられたエンターテインメントであるかのように完璧で居心地が良
かった。そこで感じたのは、良いセッションとは参加者の誰もが敬意を持って
存在を受け入れられ、そして参加者の楽器や歌やダンスや語りの才能や知識を
参加者全員と共有し楽しむ場所なのだということだった。

 ラジオや自動車がなかった時代、音楽やダンスはとても地域的なもので、コ
ミュニティの住人が集まって楽しむものだったという。セッションは20世紀以
降の近代的な現象だが、それでもなお、コミュニティの運営を円滑にするため
の、コミュニケーションの装置であることに変わりはない。セッションにおい
て「曲を演奏すること」はその一要素でしかないのだ。

 それに対して、私たち日本人を含む外国人の伝統音楽やセッションに対する
態度や考え方を見ると気づくことがある。アイルランド音楽の伝統が存在しな
い私たち外国人の多くは商業的な録音物によってトップ・プレイヤーから間接
的に音楽を学び、演奏技術や曲の習得に対してアイルランド人以上に真剣な態
度で取り組む。

 伝統音楽ではどのようにその曲が自分に「手渡された」か、そして曲の背景
への知識が重要視されるが、外国人は人から学ぶ機会が少ないので、すべての
曲がメロディとしてのみ記憶される。演奏することや楽器の技術を上達させる
ことが目的となるため、会話のコミュニケーションは少なくなりがちだ。

 しかしそれが間違っているというつもりはない。アイルランド人が時々言う
socializeという単語がある。社交する、という意味だが、アイルランド人は
人付き合いを重視する。また、気さくな会話における話題や流れやオチといっ
たものを日本の話芸のように楽しんでいるところがあると感じる。アイルラン
ド人がセッションで語るジョークやストーリーテリングは、英語が理解できな
いと理解ができないことはもちろん、その文化的な背景の知識がなくては楽し
むことはできない。そのため、言語的な壁がないはずのアメリカ人にさえも理
解ができないことが多いという。

 日本人はアイルランド人のように公衆の前で人のプライバシーに立ち入った
話をすることを無礼だと受け取るし、親しい人であっても距離感を保つ傾向が
ある。また、歌やダンスなどは一定のレベルを満たさないと人前で披露するこ
とは恥ずべきことだと考えてはいないだろうか。私たちはアイルランド人とは
コミュニケーション・スタイルが根本的に異なるので、アイルランドのセッシ
ョンをそのまま日本で再現すると不自然さやぎこちなさが生まれるだろう。

 本当の意味でアイリッシュ・ミュージシャンになるには、アイルランド人の
ように英語を理解し、飲み、語り、歌い、踊り、生活することが、演奏と同じ
くらい大事な要素なのだろう。それは我々外国人にはとても難しいことだ。
しかしそのように生真面目に考えるのもまた、日本人らしいのかもしれない。

 アイルランド音楽はいまや世界中に愛好者を生んでいるが、音楽だけが文化
の土壌から切り離されて親しまれており、それが可能だったからこそ、こうし
て楽しまれているのだろうと感じた。

2017/09/10

「ケルトの笛屋さん」実店舗がオープンします

◎「ケルトの笛屋さん」実店舗がオープンします

 日本で初めての本格的な伝統音楽ショップを開くことがここ数年の目標でした。いよいよその目標が実現します。

これまで笛を中心にインターネットで販売をしてきた「ケルトの笛屋さん」のショールーム/お店が「ケルトの笛屋さん field店」として京都の中心部、烏丸錦通りに11月21日(僕の誕生日)に出現します! ビルの2階はアイリッシュ・パブ、3階はスタジオと楽器店、なんと4階はB&Bで1階はうどん屋さん。このビルだけで音楽合宿ができます。

 お店ではアイルランド音楽の楽器を中心に、笛だけではなく弦・打・蛇腹楽器のほか書籍やCDも取り扱います。ヨーロッパの伝統音楽を広く紹介するお店にしたいと考えています。

 今回のヨーロッパ旅行では、各国の伝統楽器店を見て周りインテリアや陳列を参考にしたり、楽器卸売業者や製作者と会って商品の選定の参考にしました。

現在、fieldのオーナーの洲崎さんと店内インテリアを相談中です。ヨーロッパで見た楽器店のワクワク感を感じられる素敵なお店にしたいと思っています。

当面はセッションがある火曜日・土曜日と日曜日の午後から夜の営業となります。ぜひ、お立ち寄りください。

 ◎「ケルトの笛屋さん」が中古楽器の買い取りを始めました。

ケルトの笛屋さん京都field店の開店に向けて、中古楽器の買取を開始します。

アイリッシュ全般の楽器を買い取りますが、特にコンサーティーナ、アコーディオン、ハープ、ハンマーダルシマー、バウロンを求めています!
中古アイリッシュ/トラッドCDは状態が良ければ1枚500円程度で買取します。お家に眠るお宝を探してみましょう!

2017/08/24

伝統音楽とナショナル・アイデンティティー スウェーデン音楽とウェールズ音楽を観察して

伝統音楽とナショナル・アイデンティティー
   スウェーデンとウェールズを観察して

移民問題に揺れるヨーロッパ各国を旅する中で、多くの伝統音楽家から移民問題についての意見を聞く機会があった。移民を積極的に受け入れることに対して反対の伝統音楽家からは、移民はヨーロッパ文化とは縁遠い中東からやってきて、受け入れ先の言語を学ばず、働かずに福祉を頼り、時に犯罪を引き起こすという主張を聞いた。
彼らによると、移民は将来の社会保障や治安の重大な脅威であるという。彼らはなぜそこまで危機感を募らせるのだろうか。それは彼らが伝統音楽家であることと関係があるのだろうか。

そこで私はひとつの仮説を考えた。自国の伝統音楽を演奏する音楽家は保守的な政治思想を持ち、外国の伝統音楽を演奏する音楽家はリベラルな政治思想を持つ傾向があるのではないだろうか。

 自国文化の継承や保存に重点を置く伝統音楽家が保守思想を持つことと、外国の音楽を演奏する伝統音楽家が自らの文化を誇りに思うのと同じくらいその対象の国に敬意を払うことは、理にかなっている。それが、伝統音楽とナショナル・アイデンティティーというテーマについて考えるきっかけとなった。

私は移民問題で揺れるスウェーデンで、近現代史において伝統音楽と政治がどのような関係にあったのか、インタビューを行った。文献や資料を当たったわけではないが、以下は私が得た限りの情報である。

かつて17世紀にはノルウェーとフィンランドの大部分を支配下に置いていたスウェーデンが多くの領土を手放し、経済的にもヨーロッパ後進国となっていた19世紀末〜20世紀初頭、スウェーデン人の自信と誇りを取り戻すために、 政治主導でスウェーデンの伝統的な文化や習慣に目を向けるようになった。当時の伝統音楽家は懐古主義や平和な田園と森林といったロマンティシズムの象徴として考えられた。それは画家のアンデシュ・ソーン(Andes Zorn, 1860-1920)が農村の風景や伝統音楽とダンスを描いたり、1906年に初めての伝統音楽の集いスペルマンズ・ステンマ(spelmansstämma)のパトロンとなったこと、1922年にスウェーデンの伝統音楽曲集スヴェンスカ・ローテル(Svenska låtar)が出版されたことにつながってゆく。

その後ヨーロッパ大陸は第一次・第二次世界大戦を経て荒廃したが、スウェーデンは戦争に関わらなかったため国力が温存され、ヨーロッパの復興需要を満たすことで工業国として飛躍的な経済成長を遂げた。その期間、伝統音楽は政治とは無関係のものと見られていた。伝統音楽が再び政治性を帯びるのは、1960年代になってからである。アメリカでベトナム反戦運動と結びついたヒッピー運動が起こり、反体制的なフォーク音楽はヨーロッパにも伝播した。スウェーデンでは、権威主義を離れて自然で伝統的なものを求める文化的潮流の中で自国の伝統音楽を「発見」した都市部の若者たちは、外国の流行や文化的影響を受け入れながらリベラルで自由な発想で新しいスタイルの伝統音楽を盛り上げていった。
 そのため、現在の60-70代の伝統音楽家はリベラルな思考を持つものが多いとされる。その後の30-40代の世代では、世界でも先進的でリベラルなスウェーデンの空気を吸いながら育ったため、政治と切り離して音楽を考える傾向がある。
 しかし2000年代に入り移民とスウェーデン住民との文化摩擦が起こる中で、過激な右翼思想を持った政党Sweden Democratsが議席数を伸ばすなど保守の声が次第に強くなり、ある代表的な伝統音楽家がSweden Democratsを支持する過激発言をするなど、一部の伝統音楽家は保守に共感を感じる傾向がある。
伝統音楽は世界的な潮流である保守とリベラルへの社会の分断の中で、再び政治利用される可能性が出てきているという。

私は象徴的に保守思想とは、我と彼、こちらとあちら、というように違いを区別し、「こちら側」の利益を追求する思想であり、リベラルとはその境界を溶かし、全体の利益を追求する思想だと捉えている。それでは、私が問題提議したような、伝統音楽と保守思想の関係はあるのだろうか。

このテーマを考えるヒントになったのが、ウェールズのフルート奏者ケリ・マシューズ(Ceri Matthews)氏の伝統音楽についての発言だった。彼によると、20世紀後半までウェールズに音楽はあったが、「ウェールズ音楽」はなかった。
ウェールズ文化は20世紀初頭のウェールズ語復興運動やブリテンからの文化的な独立を保とうとする風潮の中で意識化され、その音楽は1970年代以降は世界的に隆盛を誇ったアイルランド音楽から自らの音楽を区別するために、明確に区別されるようになった。
ウェールズの文化祭Eisteddfodでは、ウェールズ語のみが話され、積極的にウェリシュネスを表現することが求められる。

アイルランドにおいても、19世紀にブリテンからの独立運動の機運の高まりから、アイルランド独自の音楽・ダンスを定義し、それ以外のものを排除、新たな「伝統的」音楽やダンスを創造することでアイリッシュネスを高揚させた。このような「アイリッシュネス」は次世代によって再創造され固定化され、やがて真実の伝統となり、アイルランド人のナショナル・アイデンティティを強固なものにした。「アイルランドの伝統音楽」は国民国家の誕生に関連して生まれた20世紀の伝統である。

しかし、何かの強大な文化へのアンチテーゼとしての文化は、意識する他者があって初めて自らが定義されるという点で自己矛盾をはらんでいる。それは、この世に女性という性がなかれば、男性は自らの性を定義できないことと同じである。現実の世界は国境という政治的な境界線によって区切られているのではなく、人は陸や海の国境を越えて移動し、 言語・民族・文化は混ざり合い、グラデーション風にまだら模様に存在している。そこを人為的に区切るのが国民国家である。

先述のMattews氏は言う。「私は自らをWalesという単語で語らない。それは、古い英語で『外国人』を意味する言葉だからだ。イングランド人があるから我々があるのではない。我々はカムリ(Cymru)だ。」

Matthews氏は、音楽においても、商業主義によって巨大となったアイルランド音楽のフレームワークを使ってウェールズ音楽を定義するウェールズの伝統音楽家の傾向に注意している。それは20世紀後半の発想で、伝統的ではないからだ。

現段階で私の疑問に答えを出すことは早計だとは思うが、以下のように考えている。

「〜の伝統音楽」という概念は自らを他と区別するために作られ、政治的な脅威が高まるとき民族主義と結びつく傾向がある。

伝統音楽と保守思想は歴史や民族文化を元にした物語を作りやすく、懐古主義的でロマンティックであるために人を惹きつけるが、広く周辺の音楽を見れば、現実の文化は多様で渾然としており、明確に線引きをすることはできない。そのため、伝統と民族主義を関連付けて考えることは現実の認知を歪めて、物事を単純化するおそれがある。

2017/06/26

Fest-nozのこと

ブルターニュのダンスの集いFest-Noz(フェストノーズ、ブルトン語で夜の祭り)を見てきました。

ブルターニュではダンスと音楽と歌の伝統が残っており、年中季節を問わず、フェストノーズが開催されます。今回は、北部ブルターニュのCavanで、公共の会館を利用して開催されました。

夜7時頃から出演者やスタッフが集まって食事をします。ここにはキッチンもついており、手作りの料理とワインを楽しみます。皆さん車で来ているのに、そしてこれから演奏したり踊ったりするのに、かまわずグイグイ飲みます。

入場料を取るものもありますが、今回は入場無料で、ドリンクは有料です。収益はミュージシャンや運営スタッフで分けるそうです。21時に始まりました。お客さんはざっと150人くらいは来ていたかと思います。出演者は歌と楽器でグループごとに30分ずつ、なんと深夜1時までプログラムがあります。2時になると法律でアルコールの販売が禁止されるため、だいたいそのくらいまでは行うそうです。

ステージがありますが、樽の上に載って演奏。ボンバルド(オーボエ)とビニウ(バグパイプ)は伝統的な組み合わせです。その周りを、手をつないでぐるぐると回って踊ります。





誰でも踊れそうな簡単なステップなので、子供からお年寄りまで参加していました。この調子で4時間は踊っていたかと思います。踊らない人もいますが、そういう人は飲んだり、音楽を聴いたり、おしゃべりしたり、女の子に会ったり(笑)しているようです。

ダンスにはGavotte、Laride、Scottish、Plinn、Polkaなど様々な種類がありますが、アイルランドと同じリズムは基本的にはありません。

地域によってダンスの種類には偏りがあり、南部の方ではAn Droのほか、RideeやHanter Droといった3拍子のダンスも踊られます。


これはKan ha diskanと言って、歌で掛け合いをしながらダンスの伴奏をしています。楽器がなくても、こうやってダンスを楽しめるのです。おそらくブルターニュ音楽の原点はこれで、これを様々な楽器でまねしているのだと思われます。時には、ダンサーが自ら歌いながら踊ることもありました。

 こうして、ダンスは深夜まで続くのでした…。


2017/06/25

Jean Michel Veillonの言葉

雅楽の龍笛、能管や篠笛について話してくれないか。私が初めて雅楽の笛を聴いた時、その音色はヴィブラートがなくまっすぐで、時間の感覚が西洋のものとは違うと感じたんだ。それはインドの古典音楽(ラーガ)を聴いた時にも感じた。
きっと、西洋でも古代はそのような時間の感覚だったのだろう。でも、現代の都市では、時間を数えられる単位として感じている。私がフルートを演奏し始めた頃から、東洋の音楽には興味を持っていた。

私は幼少の頃にダンスを始めた。そして、ボンバルド(オーボエの一種)を演奏し始めた。その頃、スコットランド音楽やアイルランド音楽がブルターニュにも紹介され始め、私はフルートでアイルランド音楽を演奏し始めた。その頃、実際の アイリッシュ・フルートを見たことがなかった私は、古道具屋で見つけたフルートを買って吹いていたんだ。それはパリで製作された19世紀のフルートで、今思えばバロック音楽を演奏するためのフルート・トラヴェルソだった。415hzで、他の楽器とは音程が合わなかったので、私は無理やり足部管を切って指孔を刃物で広げて演奏したんだ。自分の人生で最初の録音(テープ)では、それを吹いた。それはさておき…。

 当時、ブルトン音楽をフルートで演奏している人はほとんどいなかった。ハープ奏者のAlan Stivellのバンドでボンバルドやイリアンパイプスを演奏していたAlan Kloatrくらいだったが、本当にわずかな曲しか吹かなかった。それで、音楽の友人が、フルートでブルトン音楽を演奏してみてはどうかといったんだ。そこで、私はボンバルドでやっている通りにフルートでブルトン音楽を演奏してみた。ところが、全然良く思えなかった。それきりしばらく演奏しなかった。
その頃に、東洋の笛の音色を聞いたんだ。雅楽の笛や尺八、インドや中国やペルシアの笛。それらが私に深いインスピレーションを与えた。楽器が違うのでそのまま真似たということはないが、そういう音楽を聴いた時の感覚でフルートを吹いて、しばらくしてから、フェストノーズでフルートを吹いたら、「ブルターニュの楽師をよく聴き込んだんだな!」と言われたんだ。実際にはアジアの音楽を聴いていたのにね。最近は、ブルターニュでも多くの若いフルート奏者がいるが、そのうちの何人かはまったくアイルランド音楽を演奏しない。それはすこし奇妙だと思う。今、ブルターニュのフルートについて本を書いているんだ。これらの話はすべてそれに書くつもりだ。いずれ英語版も出るはずなので、楽しみにしていてほしい。

2017/06/24

9/2まで海外です

ヨーロッパ長期旅行に出かけています。電話がつながらない上に留守番電話もありませんので、
ご用の方はhataoアットirishflute.infoまでご連絡ください。

2年ぶりのヨーロッパ。

今回は70日間をかけて、7カ国を旅して、各国の伝統音楽文化、特に私の専門分野である管楽器について学びます。この規模の長期旅行はアイルランドとフランスを2ヶ月旅行した21歳の時以来で、どんな旅になるのかとても楽しみです。

 この旅は、11月に京都に開店する伝統音楽ショップの準備と、これからの音楽活動に向けて自分の教育投資が大まかな目的です。

以下、だいたいの予定を書きます。

6/21 日本を出国、中国国際航空でパリへ
6/23〜29 フランスのブルターニュ
6/29〜7/12 アイルランド西部
7/12〜7/21 スペインのガリシア
7/22〜9/1 ドイツ(ミュンヘン→西部)、ベルギー、UK(ウェールズとスコットランド)、スウェーデン
9/2 北京
9/3 日本

となります。あまり詳細を詰めていないのですが、 旅の出会いを信じて、自由にしておきたいと思います。

今回の旅でしたいことは以下のとおりです。(時系列で)

・ブルターニュでボンバルドの演奏の基礎とメンテナンスを学ぶ
・ガリシアのオカリナの演奏を学ぶ
・ガリシアのピト(縦笛)とレキンタ(横笛)について学ぶ
・ドイツのバグパイプ文化について学ぶ
・スロバキアのフヤラ(倍音笛)について学ぶ
・スコットランドのスコティッシュ・スモールパイプを学ぶ
・イングランドのノーサンブリアン・スモールパイプを学ぶ
・スウェーデンのセックピーパ(バグパイプ)を学ぶ
・スウェーデンの各種縦笛を学ぶ
・機会があれば伝統音楽でのリコーダーを学ぶ
・ブルターニュ、ガリシア、アイルランド、スコットランド、スウェーデンなどのフルート演奏
・各国の伝統音楽ショップの見学
・楽器問屋と商談をする
・楽器職人と会う
・楽器演奏家と会う
・楽器のメンテナンスをする

最後に北京に2泊して、現地のアイルランド音楽ファンと交流したいと考えています。

せっかくの長期旅行ですので、楽しみながらヨーロッパ伝統音楽の管楽器の専門家として修行を積みたいと思います。ついでに、趣味の外国語学習として、英語と各現地語を楽しみます。

各地でお会いすることがありましたら、どうぞよろしくお願いします!

2017/06/02

hatao & nami韓国ツアー コンサート&レッスン編

3年ぶり、2度目になる韓国ツアー。

韓国には、Bardという男女2人のボーカリストがメインのプロフェッショナルなアイリッシュ・バンドがあります。ギター・ボーカルのRuvinさんとアコーディオンやホイッスルを演奏し歌うHeriさん。

こちらでプロフィールやサンプル演奏をご覧ください。

https://celtnofue.com/column/japan_celt/asia_bard.html


今回の韓国ツアーは、今年こそは韓国でコンサートをしたいという私の希望を、韓国のアイリッシュ・バンドBardのギター・ボーカルのRuvinさんに相談をして実現しました。

会場が決まり宣伝を開始したのは1か月前という急なコンサートでしたが、日本では簡単には実現できないような素晴らしい会場と大勢のお客様に恵まれました。これは前回もまったく同じ経験をしましたので、Bardの人気ぶりと心遣いには毎回驚かされています。

今回は土日に二日間で2つのコンサートを希望しました。ひとつは北欧音楽、もうひとつはBardと対バン形式でアイリッシュをメインに。そして、ワークショップも依頼頂いたので、お引き受けしました。ワークショップは英語で行うつもりでしたが、Ruvinさんのご厚意で通訳として日本に留学経験があるInsun Parkさんを2日間手配してくださいました。

海外ツアーはハープの運搬が問題になりますが、今回は韓国の友人SoomeeさんにDustyのものを2日間ともお借りすることができましたので、新幹線や飛行機を使った国内ツアーに比べて移動が格段に楽でした。

場所は前回と同じ若者の集まる原宿のような雰囲気のおしゃれな街、弘大ホンデ。会場はデザイン会社が経営するビルの一階のWarkshallという設備が整った綺麗なシアターです。普段カフェやレストランでのコンサートが多い私たちなので、飲食店ではないシアターは珍しく、とても良い環境でコンサートができました。

5月27日(土)の朝、関空をおよそ10時に出発。12時にはインチョン空港に到着。日本と韓国は時差がありません。そのままバスでハプチョンまで移動しました。wifiがないので路上の案内板を頼りに場所を探しました。

15時からのワークショップはホイッスル&フルート90分とアイリッシュのリズム講義。事前に10人くらい参加申し込みがあると聞いており、全員がフルート奏者だと思っていたのですが、フルート奏者は2名で他はほとんどホイッスルの初心者の方だったので急遽内容を変えて、ホイッスルの初級レッスンを70分、最後にフルートを少し見て、質疑応答としました。

リズム講義ではアイリッシュのリズム分類の概要を話し、リズムのよい演奏についての私の考えを伝えました。通訳のInsunさんは難しい音楽の話をいとも簡単そうに通訳してくださり、本当に助かりました。

その後リハーサルをする間もなく18時からhatao&namiのコンサート。お客様は30名弱だったでしょうか。顔なじみの友人もたくさん来てくれました。2ステージ制で2時間の演奏です。

協力的でプロフェッショナルなエンジニア、会場スタッフ、音響の整った快適で美しい空間、状態の良いピアノで存分に演奏ができました。これほど優れた環境は関西ではなかなか見つけられないと思うほどでした。
 
セットリストはこちら。

曲の間のMCも、すべてInsunさんが通訳してくださったので、曲のエピソードや思いを伝えることができました。

- はじまりのうた
- 雨あがり
- Vals från Kristian Oskarsson
- Ivory lady
- 柳
- 睡蓮
- 夜間飛行

- 休憩

- reel set
- Venjan〜Garden
- Brudmarsh från Nås
- 羊飼いと熊
- みもざの庭
- 幸せの種209
- ♪アンコール♪
- おやすみのうた


2日目は、Bardとのジョイント・コンサート。その前に奈未さんのハープのワークショップがありました。

受講者は10人で、コンサーティナやフィドルなど、別の楽器を演奏される方ばかり。
Soomeさん以外は全員ハープは初めて。そしてルビンさんも参加してくださいました。
ハープの基礎知識や種類、歴史のお話と体験を少しずつ。今後独学で学習される時のために、指の使い方の基礎を説明しました。それから、ハープを購入するときの注意点などもお話ししました。
ハープのレッスンをしている時間、私は急きょ、個人レッスンを担当しました。昨日の笛のワークショップではフルートの方が物足りなかったようです。別の部屋で2人の男性のフルートのレッスンをしました。2人とも日本語が理解できるので日本語で行いました。フルートを始めたばかりとのことでしたが、とても熱心でした!

続いてBardとのリハーサル。今回はRuvinさんとHeriさんの2人だけだと思っていたのですが、パーカッションのチャニさんとヴァイオリンのチャンスーさん、チェロのサポートメンバーも入っての豪華な編成でした。共演曲の4曲を先に練習します。短い準備期間にもかかわらず、本当に素晴らしい仕上がりで、皆さん本当にプロフェッショナルだと感動しました!

コンサート本番には、100名以上のお客様がお越しくださったでしょうか。ほぼ満席でした。先に私たちが演奏しました。2日通し券もあったので、プログラムは一つも重ならないようにしました。セットリストは

Punch in the dark
Coolin ~ Madame Bonaparte~Colonel Fraser's
夜明けの星
ノルウェーの結婚行進曲
Time flow
5分間の魔法

でした。

Bardの演奏は、新しいレパートリーも入り、本当に素晴らしい熱演でした。僕の大好きな曲もいくつかあり、ファンとしても楽しい時間でした。今年は3枚目になるCDを作るそうで、大変楽しみです。日本の皆様にもBardを紹介したいという思いを強く抱きました。

共演は、Bardの섬의 노래(島の歌) と"여행자의 마지막 걸음 (旅人の最後の歩み)、私たちの「自由な鳥」と「星降る夜の歌」。パーカッション、ギター、アコーディオン、ヴァイオリンが入った私の曲「自由な鳥」には深く感動しました。

演奏後はCDや楽譜が飛ぶように売れ、あっという間に完売。たくさんの方にサインをし、写真をご一緒しました。韓国のお客様の歓迎ぶりには心を打たれました。

2日ともコンサート後はBardのメンバーや友人たちと打ち上げアイリッシュ・セッション。毎夜遅くまで、本当に楽しい時間をすごしました。

今回のツアーを実現してくださったBardの皆様、通訳のInsunさん、ハープを提供してくださったSoomeeさん、会場スタッフの皆様、そして何よりご来場いただいたお客様と私たちの友人に心から感謝をします。

年内にBardを日本にお招きして、日本の皆様にご紹介したいと準備を進めています。どうぞお楽しみに!

2017/05/30

韓国旅行 言葉編


今回の旅行はいつものようにソウルだけで演奏をしてトンボ帰りするのではなく、翌週の福岡でのコンサートと結び付けてソウル4日、釜山2日という予定を組みました。釜山から福岡は憧れのフェリーです。以前、福岡に毎月レッスンに通っていたころ、一度船で釜山に行くことを計画してチケットも買ったのですが、台風で欠航となったのです。

韓国はハングルの国。メニューも商品のパッケージも看板もまったく読めません。一人で旅行するのにハングルができたほうがいいに決まっています。

そこで、ハングルの入門書を3冊ほど買って、読み方と書き方の勉強をしました。発音については心もとないものの、日本語に変換して読み書きは、ほぼできるようになりました。とはいえ、とってもゆっくりなスピードですし、読めても意味は分からないのですが。

おかげで街の看板やメニューを読むことができ、いろいろな面白い発見もあり、楽しむことができています。人の名前もハングルで読めるようになりました。日本人なら誰でも知っているビビンバやキムチやプルコギはこう書くのか! と楽しい発見がいっぱいです。
以下、言葉について思ったことをエッセー形式で書きます。

【韓国人と漢字】

韓国は漢字を排除したため今では「生」とか「無」などごく簡単な漢字以外はほとんど目にすることはありません。韓国人が認識できる漢字はごく少ないと思われます。ですが、昔の建物や石碑は漢字が書いており、もし今でも漢字を使って、日本語のようにハングルと漢字の混ぜ書きにしてくれていたなら、筆談によって日韓のコミュニケーションも簡単だったろうにと残念に思います。ちなみに韓国人が日本語を学ぶ際にもっとも難しいことの一つは漢字だそうです。

【韓国語と日本語】

韓国語と日本語は文法上は非常に似ていると聞きましたが、実際に勉強してみると実に似ています。漢字語と外来語がある点や、敬語がある点でもそっくりです。また、ハングルもひらがなも表音文字なので、日本人が韓国語を学ぶ手順としては、ハングルを覚える→韓国語の単語を覚える→日本語と同じ発想で単語を組み立てるだけで、韓国人とコミュニケーションをとるのに最小限の韓国語はすぐに身に着くように思います(甘いですか?)。
韓国に来ると、英語よりも日本語の方がずっと得意な方が多く、若い方だとある程度の日本語はほぼ誰でも話せると言えるくらいの印象を受けます。高校で第二外国語があり日本語を履修する人や、ワーキングホリデーや留学で日本に来る方も多いです。かえって、私たち日本人は韓国語をどれほど理解しているでしょうか? ハングルは1週間で学べます。ぜひ、皆さまもトライしてみてください。

【韓国語と英語】

韓国人の一般的な英語のレベルは日本人とあまり大差がなく、つまりほとんど話せないということになります。
しかし、韓国人は時々英語の発音が良いなと思うことがあります。
韓国語には、日本にない「パッチム」という発音システムがあります。日本語は子音と母音が必ずくっついているのに対して、韓国語は英語のように子音だけの発音があります。たとえばChipsという英単語を日本語で言うとチップスchi ppu su となりますが、韓国語は칩스 chip su となり、日本語よりも英語により近い発音となります。
韓国語での外来語は、中国語が意訳したり中国語風に発音するのに対して、日本のように外来語をハングルでそのまま取り入れますので、日本で使っている外来語が結構通じます。たとえばホテル、、ピアス、マッサージ、ティッシュ、シャンプー、ノート、ペンなどです。話がそれますが、家具、靴、かばん、高速バス(コソクバス)なんて英語でもないのに日本語と全く一緒です!

【韓国語と中国語】

韓国語と中国語は直接的なつながりがありませんが、一部の発音は北京語と似ているものがあるようです。紅茶(ホンチャー)、以後(イホウとイフー)、休憩(ショウシとヒュシ)、修理(ショウリとスリ)など、韓国語を聞いていると時々中国語と似ているなと感じることがあります。これは多言語学習者ならではのひそから喜びです。

【多言語語学習での気づき】

中国語を学習し始めたころ、中国語での漢字の読み方を覚えるのには一苦労しました。日本語では同じに聞こえるジャンZhangとZhan、リーriとli、シーxiとsiなどの区別に加えて4声の抑揚があって初めて通じるので、発音記号を覚えて、それを正確に発音して初めて意味が通じるのです。日本人の中国語学習において、ここが一番の難所でしょう。
初期のころは、漢字を入力すると発音を表示してくれるスマホのAppを使って、街で見る看板などの発音を確認して覚える、をひたすら繰り返しましたし、ノートの漢字にはピンインを振っていました。
一方ハングルは表音文字ですし、4声もないので、比較的容易だと思います。もちろん、日本語にはない音もあるのですが、たとえば「指さし韓国語」のような本で片仮名で書いている韓国語、たとえばイルボンマエチャラシネヨ(日本語がお上手ですね)とかセンメッチュハナピョンチュセヨ(生ビール1つください)などは、棒読みの日本語発音でも確実に通じるはずです。これは中国語では絶対不可能です!
そして、いたるところにハングルだらけなので、どんどん読んで、どんどん単語を覚えることができます。特に英語や日本語が併記してあれば、意味も確実にわかります。中国語と韓国語、どちらが単語を覚えやすいかと言えば、視覚ベースでは中国語、発音ベースでは韓国語でしょう。



【多言語学習の面白さ】

以上のように、母語に加えて、これまで学んできた英語、中国語と韓国語を比較するとそれぞれとの共通点や差異を見つけることができます。英語は義務教育の6年に加えて実際にネイティブと会話ができるようになるまで長い時間がかかりましたが、中国語はのんびり学習にもかかわらず3年以内に日常会話ができるようになりました。一つの言語を学ぶのに、別の言語との比較によって理解が進むことが多く、使用言語が増えると加速度的に語学習得のスピードが上がることを実感しています。

韓国では日本語、英語が飛び交っており、実際に使う機会が多いです。LineやWechatで中国や台湾の友人と中国語で会話した後にとっさに英語に切り替えるのは難しく、バイリンガルみたいにスイッチできることをうらやましく思いますが、その切り替えを練習すればどんどん上達するはず。感覚を忘れずにどんどん上達するために、今後も頻繁に英語圏、中華圏、韓国を往復したいと思います。
 



【歩みだすと止めることができない】

今まで韓国は3回来ましたが、これまではハングルを学ぼうという気持ちがまったくなかったので、当然ながらわからないままでいした。今回はハングルを学んでから来た上に、各種会話教材や「指さし韓国語」のAppを用意して、英語や日本語が理解できる相手でもできる限り韓国語を練習するように意識しています。
すると、実に遅い歩みでも、口が覚えてゆくんですね。特にいつも使う挨拶言葉なんかは、自然に出るようになります。
これまでの語学学習の経験では、一度歩みだすと、もうあとは語彙が増えるに任せて自然に話せるようになります。音楽家としての経験から、とにかく聴いて話すことが大切だと思います(音楽も聴くことが5割、練習は5割)。
帰国後は初級の教科書を独学したりSkypeレッスンを受けたりして、目標としては1年後にはfacebookで韓国人の友人とハングルでコミュニケーションが取れること、日常会話を韓国語のみで行うことができることを目指したいと思います。

2017/05/12

自転車東京旅行の最終章…グレートジャーニー号は輪行できるか?

自転車東京旅行の最終章…
グレートジャーニー号は輪行できるか?

充実の東京旅行10日間最終日。

自転車は板橋区で借りているマンションに停めていた。翌日は名古屋にレッスンに行き、その晩に兵庫県の自宅に帰るので、自転車に乗って帰るという選択肢はない。

当然、新幹線で行くつもりだ。自転車は、ヤマト運輸で送れるとネットで読んで安心し、板橋区のヤマト運輸の営業所が運よくマンションのすぐそばと言うことも把握していたので、何も考えてなかった。

午後の出かける前に自転車の乗り気楽な気分で営業所に行く。

ところが。

自転車を送りたいと言うと、梱包していないものは送れないのです…と。引っ越し便であれば送れるが、引っ越し便の営業所は埼玉県の朝霞市なので、すぐには引き取りにこれないそうだ。
自転車が送れないだと、困った。

大きなスーツケースといっぱいの荷物もある。
取り敢えず、スーツケースに物を詰められるだけ詰めて、自宅に送った。1600円。自分で運ぶことを思えば安い…。

電車に自転車を載せて旅行することを輪行というのだが、僕のグレートジャーニー号は、ネットで調べたところ輪行にはまったく不向きらしい。大型のフレーム、バッグを固定するギャリー、泥よけもある。これを輪行したという記事も見当たらなかった。その上、僕は輪行バッグは持っていない!

途方にくれたが、取りあえず午後に約束があったので出かけて、セッションから帰ると深夜になった。

輪行バッグどうしよう。
自転車を黒いゴミ袋にでも入れて運ぶか?
成増駅のスーパーSEIYUが深夜まで営業していたので立ち寄り、幸運にも自転車用の雨避けカバーを見つけた。うん、これは行けるかも?

帰宅して荷物を整理し、自転車をドライバーで初めて解体し、カバーを逆さにして自転車を入れて、上面をガムテープで留める。見た目は汚いが、一応、全体が隠れた…。

既に深夜の2時。翌日は7時の新幹線だけど、ラッシュに巻き込まれると電車に自転車を載せられないので、朝5時に起き、部屋を整理して、10日間お世話になった家を出た。

自転車は15キロある。それにパソコンや楽器。
めちゃくちゃ重い。駅まで担ぐのも精一杯だ。

駅では、駅員に声をかけられて止められたらどうしようと不安だったが、こんな大きな荷物なのに、東武東上線、山手線、新幹線、意外にも誰にも何も言われずに乗れた! 
思えば、もっと大きなハープをカートに乗せて奈未さんと旅行することもあるのに、なんとかなっているのだ。

こうして14日かけて東京まで来た道のりを、無理矢理な手段ではあるが、また自転車とともに新幹線で帰って行くことになった。

ムチャクチャだ。
本当に、クレイジージャーニー…。

スーツに身を包んだサラリーマンだらけの新幹線で、ボロボロになりながら、やってやったぞ!俺は生きてるぞ!という、謎の達成感に酔いしれる。

名古屋駅にて自転車を組み立て、取り敢えず駐輪場に駐輪。


今夜レッスンを終えて、無事に帰れることを祈る!

2017/05/07

寺原太郎さんインド音楽コンサート@西東京市 響き床

寺原太郎さんインド音楽コンサート@西東京市 響き床

快晴で一気に気温が上がった連休後半の土曜日。
巣鴨のフルート・ワークショップを終えて電車を乗り継ぎ西東京市のライブ会場へ。寺原太郎さんのインド音楽演奏を聴くのは67年ぶりになるかもしれない。
20代前半から尊敬する太郎さんのライブを観るのは今回の東京滞在のメイン行事である。

今回は、自転車屋さんの2階というので、どんな会場かなと思っていたら、自転車屋さんの一般の民家の二階の広間が演奏会場。
それでも30人近くの人が集まっていて、開演直前に着いた頃はすでに熱気でいっぱいだ。年配者や子供づれも多く、普段の自分のライブの客層との空気感の違いを感じる。インドのホームコンサートってこんな感じなんだろうか。
僕は最前列に席を取った。演奏者と30センチくらいの、演奏者と膝と膝とを付き合わせた距離で聴くインド音楽は初体験。もろろん生音での演奏だ。

今日はカルカッタから来日中のタブラ奏者シュロジャト・ロイとのデュオで、春のラーガを演奏。春は暑い夏を予感させる憂鬱な雰囲気で、日本のヨナ抜き短調音階に長三度と短三度が同居したようなスケールだ。

瞑想的な前奏から始まり、音の階段を一段ずつ登り降り、音階の絨毯を敷いてゆくような笛。そして、タブラが入ると笛が勢いづいてゆく。ゆっくりなティンタール(16拍子)から速い16拍子。お互いに仕掛けあい、補い合い、愛情と敬意が溢れる掛け合いだ。タブラは突っ込んだり焦らしたり三連符で挑発したり、奇想天外な手が楽しい。

休憩を挟んで後半はタブラのデモンストレーション。期待通りの超絶技巧を楽しませてくれた。最後に近所にお住まいだというシタールの武藤さんが加わりジュガルバンディ(二重奏)で夜のラーガ。インドの夜のラーガは明るく、生命感に満ち溢れている。

考えてみれば、インド音楽は何度も観たけれど、ライブで二重奏を観るのは初めてだ。しかも、フルートとシタールという異なる声。武藤さんの演奏は丁寧に音を紡いでゆく。シタールにリードさせてあげつつ、間を埋めてゆく笛。歌い方の異なる二つの楽器を楽しむ。そして2人に伴奏されてのタブラのソロ。自由闊達、床からタブラの振動が伝わってくる迫力のある演奏だ。最初は14拍子、後半は速い16拍子。指折りリズム周期を数えて、ぐるぐる回る。瞑想的な前奏が宇宙的な時間を感じさせるなら、リズムは星の運行を感じさせるとも言える。いくつかの見せ場を経て、シタールとフルートのユニゾンからアクロバットを決めたあと、見事に着地した。

今回、寺原さんとロイさんは初顔合わせで、演奏の新鮮さを保つためにリハを一切しなかったと言うけれど、ここまで合うことに、いつもながら驚く。息の合った共演だった。

インド音楽は一見瞑想的で精神的だけれど、実は知的でスリリング。囲碁や将棋の名人対決を見ているかのような丁々発止のやり取りが楽しい。そして激しい応酬の興奮と、予想通りのところで決まったときの安堵感。その場かぎりの生きる歓びを奏で、讃える音楽なのだ。知れば知るほど、聴けば聴くほどに面白いインド古典音楽。これからもファンであり続けるだろう。










2017/05/05

Life in Tokyo

My life in Tokyo just has started...for a week this time. Now I'm staying in a room in Itabashi ward which I booked on airbnb, it's a fairly small flat with a bathroom and kitchen, but good enough to practice music myself, writing book, and even can have a private lesson.

I've always wanted to live in Tokyo once, to join Irish music sessions and see concerts every nights, because all interesting musicians live in Tokyo. This time's stay was just planned when I gave up my bike trip to Hokkaido and I have another week for doing nothing.But thanks to my friends and students  in Tokyo, I got lots of bookings for my class and some gigs every day.


I'm starting to grow an idea that I might be able to have enough earnings to support my life in Tokyo if I come and stay couples of weeks every month. Just a little confidence...I have a feeling that my life is going to make a change.

2017/04/21

「音楽のおくりもの」を配布開始しました。

ギフトブック・シリーズ第二弾「音楽のおくりもの」を配布開始しました。
こちらからお取り寄せください。

https://celtnofue.com/play/giftbook.html#02
「音楽のおくりもの」は24pのCD付き楽譜集です。

多くの方に伝統音楽に親しんでいただくために企画し、3000部を寄付によって配布します。

  アイリッシュの楽譜集といえばセッション・ダンス曲集がたくさん発行されていますが、一般の日本人にはまったくなじみがない曲ばかりで、演奏テンポが速くついてゆけないという声を多く聴きます。

 そこで私のレッスンでは、「庭の千草」「グリーンスリーブス」のような聴きなじみのある曲を通じて伝統音楽に導入しているのですが、そのような有名曲ばかりを収録した伝統音楽の楽譜集は、国内はもちろん海外にも存在しません。

 この楽譜集は、だれもが一度はCMやテレビドラマで耳にしたことがあるようなイギリス・アイルランドの伝統曲を含む合計35曲を収録しました。笛だけを想定した楽譜集ではないので、フィドルやアコーディオンなどアイルランド音楽の代表的な楽器はもちろん、オカリナ、リコーダー、二胡などほかのジャンルの楽器でも楽しむことができます。
ゆっくりで技術的に易しい曲が多いので、上記ギフトブック「ティン・ホイッスルを吹こう!」を終えたばかりの方や、楽器初心者には最適な曲集です。

 付属CDでは、伝統音楽の音色にも親しんでいただけるよう、5人の演奏家でCDを録音し、17種類の楽器を収録しました。

フルート、ピッコロ、ティン・ホイッスル、ロー・ホイッスル、オカリナ、リコーダー、2種類のバグパイプ、ハープ、ハンマーダルシマー、ピアノ、オルガン、フィドル、マンドーラ、ニッケルハルパ、コンサーティーナ、バウロンです。

この本を通じて、多くの方と音楽の喜びを分かち合えることを楽しみにしています。

〈収録曲〉
1.庭の千草
2.春の日の花と輝く
3.ミンストレル・ボーイ
4.ファニー・パワー
5.フォギー・デュー
6.ブライアン・ボルーのマーチ
7.勇敢なるスコットランド
8.ローモンド湖
9.アニー・ローリー
10.麦畑(故郷の空)
11.悲しみの岸辺/ウォーター・イズ・ワイド
12.マイ・ボニー
13.ヘクター・ザ・ヒーロー
14.スオ・ガン
15.とねりこの木立
16.夜もすがら
17.グリーン・スリーブス
18. 英国擲弾兵
19.リリブレロ
20.ソング・オブ・ザ・ウォーター・ケルピー
21.彼女は行く ~22.アイルランドの洗濯女
22.兵士の喜び~マクラウド夫人
23.わらの中の七面鳥~水兵のホーンパイプ
24.イエヴァン・ポルッカ~Ryan's polka
25.アン・ドロ An dro
26.ベツレヘムの夜
27.ウェックスフォード・キャロル
28.ひいらぎかざろう
29.エルノイ・デ・ラ・マーレ
30.オキャロランのすきま風
31.小さなひとりごとのワルツ2重奏
演奏:
hatao(ティン・ホイッスル、ロー・ホイッスル、アイリッシュ・フルート、アイリッシュ・ピッコロ、ソプラノ・リコーダー、テナー・リコーダー、どこでもパイプス、ACオカリナ)
nami(ピアノ、オルガン、ハープ)
大森ヒデノリ(フィドル、ニッケルハルパ、マンドーラ)
松阪健(イリアン・パイプス、コンサーティーナ、バウロン)
稲岡大介(ハンマー・ダルシマー)


2017/04/20

自転車旅行10日目 失敗と学び




4/11に自宅を出発してから9日経ち、静岡県三島市にきています。

先週金曜日の名古屋の講座の時に咳がひどく、ドラッグストアで市販の風邪薬買い、土曜日の春日井のコンサートと日曜日の浜松の
アイリッシュ・セッションではまだなんとか演奏ができたのですが、月曜日に体調が悪化。天気も悪く自転車での移動は無理だと判断して、豊橋で泊まらせてもらっていた音楽家/植物写真家のいがりまさしさんの厚意で名古屋の宿から自転車と荷物を車に積んで豊橋まで送ってもらいました(名古屋〜豊橋は80km)。

その日から40度近い高熱が出ました。苦しくて寝ていることしかできません。火曜日は内科に連れて行ってもらい、インフルエンザではないことが分かったのは良かったものの、処方された薬を飲んでも熱が下がらず僕のためにブッキングしてくださった浜松のセッションを欠席することになってしまいました。

体調が最悪でもここで出発しないと週末の逗子のコンサートに間に合いません。

水曜日にいがりさんが東京に向けて出発するということで、再び、自転車を載せて車で豊橋〜三島(150km)まで送ってもらいました。火曜日の浜松と水曜日の焼津のホテルはキャンセルしましたが、この体調で走っていたらさらに悪化して肺炎にでもなっていたでしょう。いがりさんには、厄介な客だったでしょうが、優しく親切にしていただき、本当に助かりました。

三島では水曜日・木曜日の2泊しました。ここでもほとんど寝ている以外のことはできず、かろうじて三島のコンサートの主催者の中島智乃さんと会ってお食事したり、パブGiggleのセッションに参加したりしたくらい。少し歩いた程度ですが三島は水の風景と古い建物が趣のある街です。

今回の旅行は出発してから体調が悪かったです。天候にも恵まれていません。
徹底的に風邪が悪くなったきっかけは13日のキャンプでしょう。

これでキャンプには懲りて、重たいだけのキャンプ道具を送り返してしまいました。今の所楽しむ余裕などなかったのですが、その中でも学びはありました。

⑴キャンプするならアウトドア目的で予定を組む。
日本ではキャンプできる場所がほとんどありません。それなのにキャンプ道具は量が多く、運搬するのにじわじわと体力を奪っていきます。キャンプ中に楽器やノートパソコンが盗まれる心配もあります。
キャンプをする前提なら、アウトドアを目的とした旅行ととらえてキャンプ場を回る行程を組んだ方が良いです
(当然、人里離れているためコンサートはできません)。

⑵コンサートと旅を組み合わせるなら自転車は不向き
自転車で1日8時間走って移動しライブする予定を組んでいると、今回の風邪のような体調不良や悪天候でも走らなくてはいけません。そのような状態では事故を起こす危険性が高まり、精神的に追い詰められて旅行を楽しめません。旅行の疲労や旅行中の練習不足もあり、品質を保証できないのならプロとしてはライブを入れるべきではありません。

⑶1日の走行距離の設定を30〜50km平均にする
今のように1日80キロ程度のペースで予定を組むと、10時に宿を出て18時の日没までに目的地につくということになりますが、それでは移動で精一杯で観光や寄り道などする余裕がありません。
道端にカフェや温泉があったからといって寄っている暇がないのです。これでは何が楽しいのかわかりません。
それらの時間をとるなら、30〜50km平均が適切です。

⑷自炊は便利
キャンプ用品を送り返した際に自炊道具も送ろうかと考えたのですが、これは意外と便利なので持っておくことにしました。旅行中は外食が中心となりますので、野菜が不足しがちです。ガスクッカーがあれば簡単な味噌汁や鍋物で野菜をとることができますし、コーヒーも沸かせられます。

⑸移動しながら仕事は可能
今回はシェアメイトの協力のおかげで、移動しながら普段通りの仕事を続けることができています。
具体的には輸入商品の受け取りや商品の転送をシェアメイトにしてもらっており、それ以外の業務はノートパソコンでホテルのwifiを利用して行います。銀行関連もネットで済みます。これによって、日本のどこに住んでも今の仕事が成り立つことが分かりました。これまで確信を持てなかったので大きな気づきでした。

以上のことから、今後、自転車旅行はホテルやゲストハウス、Airbnbを利用して、なるべく軽装備で、1日の移動距離を少なくするスタイルが自分には良いとわかりました。

さて、今後なのですが、北海道までと言っていましたが仕事のため旅行期間を5/11までに短縮することになり、さらに仕事で4/27-5/1まで一時帰宅することになったので、東京出発で動ける日数が10日しかなくなりました。これでは到底北海道など無理ですし、移動することが目的の旅ではないので、後半については行程を変えることになりそうです。移動距離よりも安全第一、楽しむことを大切にしたいと思っています。

明日は晴れていれば逗子まで箱根峠を越えて80キロ、雨天または体調が悪ければ自転車を三島に置いて電車移動します。晴れますように。

2017/04/16

自転車旅行の理想と現実

自転車旅行の理想と現実

自転車旅行6日目@名古屋に滞在中です。

滋賀県大津市→滋賀県東近江市→名古屋市と、3日かけて木曜日に名古屋に着きました。

自転車初心者で普段トレーニングをしていないので、平均時速10キロ(休憩含む)、朝10時から午後6時まで8時間走行で1日の走行距離を80キロと計算して予定を組んだのですが、初日からひどい暴風雨。くじけそうになりながらも
傘も差せないほどの風の中、京都から逢坂峠を越えて夜9時に大津に着きました。

ここのゲストハウスは中国人の女性がオーナーで中国語で会話を楽しんだり、相部屋の若いホルン奏者から親切にしていただいたり、大津在住ヴァイオリン奏者の天澤天二郎さんと食事したり、旅の楽しさに触れました。

2日目は予定していたキャンプ場に着くまでに日が暮れてしまい川辺でキャンプ。スーパーで買った野菜で鍋料理をしたり近くの温泉に行ったり楽しんだのですが、明け方にひどい寒さで目が覚めました。

ラジオをつけたら、この朝、氷点下近くまで冷え込んでいたそうです。慌ててパッキングして、早朝から鈴鹿山脈越え。荷物が重いので坂道がきつい!トンネルではトラックがかするように通り過ぎ、風圧で倒れそうになります。

途中素敵なカフェに寄ったり、景色を楽しみながら名古屋のゲストハウスに着いたのは夜7時。

この時、ひどい悪寒・関節の痛み、喉の痛み、鼻水を発症し、どうやら風邪をひいたことがわかりました。しんどかったのですが、身体をひきずるようにしてフィドルの小松大さんと山本哲也さんのライブを見に行きました。

翌日金曜日は毎月の名古屋の講座。体調最悪でしたが、なんとか朝から夜までレッスンしました。

土曜日はハープ奏者の大橋志麻さんのコンサートのゲスト出演@春日井市カレドニア、晩はガイタ(バグパイプ)奏者のKojikojimohejiさんのソロCD発売コンサートを観に行きました。日曜日の今日は昼に浜松でレッスンとアイリッシュ・セッション、夜は豊橋でリコーダーのアンサンブルの見学(自転車を名古屋において電車移動)。

出発前のイメージはぶらりと素敵なカフェに寄ったり観光地を見学したり、旅人との出会いを
楽しみながら旅行するイメージでしたが、1日80キロとなると、移動だけで必死です。

Mac Bookを持ち歩いて通常通り楽器店や制作の仕事をしながらの旅ですので、午前中は仕事をして、出発が昼過ぎになると、時間との戦いで日没まで目的地に着くように必死に漕ぎます。1日の移動距離がせめて50キロくらいだと余裕があります。

それから、春に軽装備でキャンプは危険!もう野宿はこりたので、重たいだけの野営道具を送り返して、今後はホテルを利用しながら、軽装備で進みます。

名古屋に3日滞在して疲れが取れ風邪から回復してきたので、明日から自転車旅行再開です。今週末には逗子、三島でhatao & namiのコンサートがありますので、それまで約360キロを5日かけて進みます(1日平均70キロ)。

このルートは山岳地域がないので、少しは楽だと良いな。

とりあえずの予定です。もし夜に会いたい方がいましたら、ご連絡ください。

月曜日 豊橋市宿泊
火曜日 浜松市宿泊
水曜日 焼津市宿泊
木曜日 三島市宿泊
金曜日 逗子市宿泊

2017/04/12

ケルトの笛チャリ旅 2日目

ケルトの笛チャリ旅 2日目

自転車で宝塚から札幌に帰省する挑戦をしています。期間は5月16日までの35日間。ゆく先々でライブやレッスンをしながら、Mac bookで普通に仕事をしながら旅ができるかどうかという挑戦でもあります。

昨日は初日から暴風雨の中、予定通り出発。きつい雨と風の中を走るのはめちゃくちゃ面倒くさかったですが、金曜朝には名古屋でいつものレッスンがあるので、木曜日には名古屋に着いていなければいけません。出発を延期はできないので心を奮い立たせて出発しました。
 

途中、友達の家に寄ったり奈未さんの家で昼食を頂いたりしているうちに箕面を出たのは午後2時。
そこからひたすら走りました。初日の宿は滋賀県大津市、70キロ。全身レインコートで、傘も差せない風の中、足がずぶぬれになりながらペダルを踏みます。
 
 

途中、コンビニで休憩したりしつつ、大津に着いたのは夜9時すぎ。大津在住のヴァイオリニストの天澤さんと久しぶりにお会いして夕食と飲みをご一緒しました。


 
宿は「ゲストハウス華」。オーナーの方はどうやら中国人っぽい女性で、中国語で会話しました。韓国の兵役中の男子4人、東京からオーケストラの受験に来たというホルン吹きの若い男性との相部屋で、こちらでも深夜まで飲みました。韓国人の礼儀正しさや目上への態度の良さはいつも感心します!



今朝は宿から湘南のFMラジオ「湘南ビーチFM」に電話出演、22日のコンサートの宣伝をしました。Mac bookでいつも通り1時間仕事をして、これから出発です。筋肉痛はそれほどひどくありませんでした。

今夜は、名古屋との中間地点60キロにある、永源寺キャンプ場に投宿します。4月から開いているキャンプ場は珍しいです。今回はキャンプ道具や炊事道具も積んでいますが、正直重いうえに、キャンプする機会もほとんどなさそうなので送り返そうかと思っていましたが、早速活用できて嬉しいです。

これからの予定です。
今日 永源寺キャンプ場

13日(木) シャムロックでフィドル奏者の小松大さんのライブを観る。名古屋市宿泊

14日(金) 名古屋市でレッスン。名古屋市宿泊

15日(土) 愛知県春日井市でハープ奏者の大橋志麻さんのコンサートに出演→ガイタ奏者のKojikojimoheji君のCD発売記念コンサートを見る。名古屋市宿泊

16日(日)朝に浜松でレッスン(電車移動)、夕方に豊橋でレッスン。豊橋市でギター奏者のいがりまさしさんと会う。

17日(月)浜松に移動。
22日(土)に逗子でコンサート、23日(日)に三島でコンサート。
そのあとは東京に向かいます。

ピンと来たかた、ご連絡ください!












2017/03/28

ギフトブック第二巻の紹介と寄付運営の難しさ

【ギフトブック第二巻の紹介と寄付運営の難しさ】

 ギフトブック第二巻がいよいよ今週入稿となります。大森ヒデノリさん、稲岡大介さん、namiさん、松阪健さん、僕による5人の演奏を収録したCD音源が出来上がり、本当に素晴らしい仕上がりで何度も聴いて、感激しています。

 このCD付き楽譜集は、より多くの人に伝統音楽に親しんでいただく社会貢献活動のひとつとして企画し、ギフトブック第一巻『ティン・ホイッスルを吹こう!』と同じく、3000部を寄付によって配布する予定です。

 アイリッシュの楽譜集といえばダンス曲100曲集のようなものがたくさん発行されていますが、一般の日本人にはまったくなじみがないものです。

 そこで僕のレッスンでは、「庭の千草」「グリーンスリーブス」のような聴きなじみのある曲から伝統音楽に親しんで頂くのですが、そのような有名曲ばかりを収録した伝統音楽の楽譜集は、海外にも存在しないようです。

 この楽譜集は、だれもが一度はCMやテレビドラマで耳にしたことがあるようなイギリス・アイルランドの伝統曲35曲を収録し、伝統音楽に親しんでいただくことを目的としました。笛のための楽譜集ではないので、フィドルやアコーディオンなどアイリッシュの楽器はもちろん、オカリナ、リコーダー、二胡などほかのジャンルの楽器でも楽しむことができます。

 付属CDには、今年開業する楽器店での取り扱い楽器の音色を聴いていただけるように、フルート、ピッコロ、ティン・ホイッスル、ロー・ホイッスル、オカリナ、リコーダー、2種類のバグパイプ、ハープ、ハンマーダルシマー、ピアノ、オルガン、フィドル、マンドーラ、ニッケルハルパ、コンサーティーナ、バウロンの17種類を演奏しました。

 この本を通じて、多くの方と音楽の喜びを分かち合えることを楽しみにしています。

 さてギフトブック第一巻は10,000冊を配り終え、重版分から、無償から寄付制(送料こちら負担の後払い)に移行したのですが、現状だれ一人として寄付金を支払っていただいていないのです。

 日本には寄付という文化が根付いていないので予想はしていましたが、第二巻も同じ状況になるのではと危惧しています。この本でお金儲けをすることは考えていませんが、少し悲しくなります。

 この本は自分の作品の中でも需要が高い企画だと思いますが、販売すれば売れそうなものを寄付制にするのには、強い思いがあります。

 ティン・ホイッスルはかつて、階級社会であったイギリスでお金のない庶民の間で広まった楽器で、今でもその手軽さが魅力です。
 
 今の日本は給料は下がり続け、社会保険料は上がり、多くの子供や若者や女性が貧困にあえいでいます。そんな状況の中でも音楽に希望や喜びを見出して人生を輝かせてほしいという願い、そして、ケルトの笛屋さんという企業活動を多くのお客様に支援して頂いていることへの感謝の気持ちから、できるだけ多くの人に、金銭的な負担にならずに音楽の喜びを届けたいと思っているのです。

 ですから数百円でもよいですし、余裕があって志に共感して頂ける方は数千円でもよいですし、それぞれの生活の事情に合わせてこの本の価格を決めて頂き、活動を支援して頂きたいと思っています。

 しかし、先に商品を手に入れてしまったら寄付のことなど忘れてしまうという気持ちもよくわかります。

 良い寄付のシステムについて、何か良いアイデアがあれば、ぜひコメント欄で教えてください。

  今のところ、参考価格を決め、申し込み時点でいくらでもよいので寄付額を決めて頂き(後払いも選択可)、その金額が振り込まれたら発送するような仕組みに変えようかと考えています。

2017/03/23

ティン・ホイッスル職人 Mike Burkeとの会話

以下は2017年3月のアメリカのティン・ホイッスル職人Michael Burkeさんとのメールのやりとりです。ティン・ホイッスル作りにかける情熱と誠意が伝わってきます。みなさんとシェアしたいと思います。

Mike:
私のティン・ホイッスル製作においては、すべての段階で協力してくれるスタッフがいるが、ヴォイシング(音色作り)作業だけは自分でしている。
ヴォイシング作業は習得が難しく、また才能も要る。そんな才能に恵まれた人でさえ教えるのに何年もかかるんだ。私には20年以上の経験があるが、まだ学んでいる。ティン・ホイッスル製作において私はデザインをよりよくし、工房の職人に作業を分担できるように教え、私自身が最後のヴォイシングに集中できるように心がけている。

hatao:こんなにも精巧なティン・ホイッスルを作るのはとても難しいことは想像できます。ヴォイシングはもっとも重要な箇所ですしね。
先日10年前と現在のBurke low whistle F管を比較する機会がありまして、現在のものは、くちばしの部分が少し長くなっていることに気が付きました(また、チューニング・スライドのスリットの位置も変わっていました。)絶えず進化しているのですね。まさに、トヨタ自動車のKaizenの価値観ですね。

Mike:多くの改善はあなたのように良い演奏家を除けばほとんど誰にも気付かれないほどのものだよ。ほかのホイッスル製作者と自分とを分けるのは、彼らは一度良いコピーを作ったらほとんど変更せずに作り続けるが、私は数十万円の投資をして新しいアイデアを試すことだ。時としてうまくいかないこともあるが、それで失うのは自分のお金だけだ。
有名なバスケットボール監督にジョン・ウッデンという人がいる。彼は10NCAAのチャンピオンを取ったが、2位よりも2倍もの得点差をつけた。彼は選手たちに、選手としての気質や高潔さを身に着け、最高のプレイを求め、日々改善するよう絶えず努力するように指導している。
彼が選手に言う有名なモットーは、「毎日を最高の作品にせよ」だ。
それは到達地点についての話ではなく、昨日の成果は過ぎた過去であり、今日は昨日より良く、明日は今日よりもさらに良い結果を求めよう努めるということだ。
それを落ち込ませる考え方だという人もいるが、私にとってはそれが人生であり、毎日工房に向かう理由だ。
音楽家として、君は紙に書かれた音符はただの図であり音楽そのものではないと分かっているだろう? 音楽は生きもので、そこに情熱や愛がなければ空虚となり、それを聴く観客には伝わるものだ。観客はどこが悪いと言うことはできないが、音楽が生きていないことは分かるのだ。私が改善をする理由はそれだ。
素晴らしい音楽家の手が生きた音楽を奏でるための道具を作るのは喜びだからね。第二便の商品は今日出荷したよ。明日にはその次の楽器を出荷するよ。

敬具 マイク

2017/02/22

人見知りを克服したい話


[人見知りを克服したい話]

[人見知りを克服したい話]

 先日19日大阪でケルト・北欧音楽の楽器交流会を開催し、70名の方にお集まりいただきました。

 発表会でも講習会でもなく、交流会。目的は、日ごろ出会うことがない異なる楽器の人とつながる機会を提供することです。

 クイズやチーム対抗ゲームなど楽しいレクリエーションの時間も取って、とても楽しい時間を過ごしました。

 この規模の交流会は初めてなのでいろいろと不手際がありましたが、みなさんの協力的な姿勢や団結力に救われました。ご参加いただいた皆さま、ありがとうございます。

 僕は交流会やパーティを主催するのは実はけっこう好きで、それは人が楽しむ場所を提供したり、喜ぶ顔を見るのが楽しいからです。でも自分自身はパーティに参加するのは大の苦手。居場所がない気がして、すぐに帰りたくなります。

 もともと人見知りな上に団体行動やチームワークが苦手な性格なのですが、裏方であれば楽しめるのです。

 僕の人見知りは生来のものです。

 誰かが話しかけてくるのは嫌ではないし、問題なく会話もできますが、自分から話に行くのは、自分のライブのお客様であってもすごく恥ずかしい。ライブに来て下さる方なら、僕のことを知っていて、興味があるのは当然なのに、それですらダメなんです。お客様はさみしく思っているかもしれませんね…。

 最近は世の中が便利になりすぎて、会話なんて一切しなくても生活できるようになりました。外国ではスーパーの列とかで意味もなく話しているシーンをよく見ますが、日本ではありえないでしょう。

 僕は旅行が好きなのですが、インターネットが今のように便利でなかった頃は旅先でわからないことがあれば人に聞くしかありませんでした。そうでないと不便だったり危険な目に遭う可能性があるから、シャイだとか言っていられないのです。

 でも、今はスマホがあればなんでも調べられます。決済もカードや電子マネーでできます。外国に行っても、一人とも会話せずに済ませられます。だから僕は海外でもずっとスマホばかり見ています。

 でもこれって、もったいないことだと思いませんか?
 なんか、家にいるのと変わらなくないですか?

 知らない人に話しかけると、いいことが起きることは、経験上よく知っています。楽しい時間を過ごしたり、何かに誘ってもらったりすることもあります。
 
 幸せって、人との関係の中で感じることができるんです(by 奈未さん)。仮にお金があって、仕事が大成功していても、孤独だとつまらないですよね。

 だから、アラフォーにして、この性格を行動によって変えたいと思います!

今年は旅をたくさんします。

旅行中は必ず、1日1人、知らない人に話しかけること。

つまらないことかもしれないけど僕には大きな一歩なんです。

みなさんは、どうですか?
知らない人に話しかけられますか?

2017/02/11

2/15 テレビ出演のお知らせ

マレーシアから帰国後にとても忙しく、ブログの更新が止まってしまっていましたが、元気にすごしております。

さて、突然なのですが、来週の水曜日15日に、BS放送局の「BSジャパン」の深夜番組「おんがく交差点」に出演させていただくこととなりました。

「おんがく交差点」は毎週水曜日の深夜23:30から放送している30分の音楽番組で、春風亭小朝さんとヴァイオリニストの大谷康子さんが司会です。

これまでにアコーディオンのCobaさん、尺八の藤原道山さん、 ギターの押尾コータローさんなど、いずれも第一線でご活躍中のベテラン演奏家の方ばかりが出演しており、光栄にも私を指名くださいました。

実は収録日として提案くださった日がちょうどマレーシア旅行のさなかに重なっており、日程を変えることはできないかもしれないとのことで、チケット捨てて取り直し、帰国の翌日に収録のために日帰りで東京に行ってまいりました。何もない旅行期間中だったのは、かえって幸運だったかもしれません。

さて、番組内ではハープの奈未さんと2曲演奏しているほか、大谷康子さんともご一緒させていただきました。トークのシーンでは、笛のご紹介をしたり、伝統音楽について語っています。もしBSがご覧になれる方は、ぜひごらんください(どんな風になってるのか、ちょっと怖くもありますが)。

http://www.bs-j.co.jp/official/kousaten/

2017/01/18

幸せとお金・時間・仕事について

「幸せとお金・時間・仕事について」

昨年11月に38歳になった日に自分が人生の「中年」を生きていることを自覚しました。中年といえば健康や家庭や仕事などの色々な悩みも多い年頃。

これから先の人生を、より幸せに生きるには、どうしたら良いかと考えて、11月から生活習慣の見直しをはじめました。それについては、これまでの投稿で書いたとおりです。

この2カ月、本やyoutubeで健康的な生活、病気予防、 ストレスの対処方、目標達成、学習などさまざまなことを学び、日々の習慣に落とし込んできました。

健康や学習を習慣化するのは意外と簡単でした。ヨガやスムージーや掃除など毎朝のルーチンは、2カ月もやっているとほとんど意識しなくても身体が動いたり、しないと気持ち悪いと感じるようになりました。しかし、その反作用も出ました。

旅行中やコンサートが何日も続く日は、スケジュールが不規則になったり、自分の意思では時間をコントロールできなくなります。そのために決まった習慣が継続できないことがものすごく苦痛に感じられるようになったのです。未達成のことが気になって仕方なく、それが続くと胃がシクシクする感覚を覚えるようにまでなりました。健康のためにやっているのに、これでは本末転倒です。過剰適応です。

新たなことを習慣化する秘訣は「完璧主義にならないこと」だそうですが、出来ない日があってもイライラしないようにしたいものです。今の習慣は長い目で見ると健康増進や学習に大きな成果を生みそうなので、このまま気長に継続していくつもりです。

この2カ月を振り返り自分が幸福だったと思えるのは、ほとんど予定がなく、一日の大半の時間を自分でコントロールできる日でした。そういう日はゆっくり練習したり、料理したり、散歩したり、語学の勉強をしたりと本当に楽しく充実感を味わいました。

反対に、仕事に続く仕事で4日も家に帰らないような日は未返信のメールがたまり、to do listがとめどなく伸び、洗濯物がたまり、部屋が荒れ、ものすごいストレスでした。仕事もお金をかせぐことも好きですが、ほどほどにしないと幸福度が下がることに気づきました。

多忙は本当に罪悪です。多忙になると仕事の品質が下がり、健康や身だしなみに気を付ける時間が減り、人に対してなおざりになり、疲労やストレスを紛らわせるために散財したりお酒に頼ったりします。すると生活が荒れて悪循環に陥ります。

自由な時間と引き換えにお金をたくさん稼ぐよりも、自分の自由になる時間をできるだけ確保し少数の質の高い仕事ができる方が断然よいです。

毎日のように色々な人と色々な場所で異なる曲を演奏をする音楽家がいます。昔はバリバリ活躍する音楽家の典型のように感じ憧れやうらやましい気持ちもありましたが、自分にはそれは無理だと悟りました。

1つ1つに丁寧に準備ができませんし、自分はストレスと過労で1週間もやればボロボロになりそうです。

しかしトップの音楽家ほど、実はそんなに器用にいろいろなことを同時に手出しせずに、いつも同じ曲を、しかもものすごい高い精度で演奏していたりするものではありませんか?

自分に向いているのは、数が少なくとも、自分にとってその時の一番いいと思える相手と、自分が一番いいと思える音楽を、自分が満足ができる水準で演奏をすることです。

あれもこれもやろうとせずに、同時にするプロジェクトを1つか2つにしぼり込み、そこに集中することで、ひとつひとつのアウトプット(ひとつのコンサートやレッスンや作品)の質を極めて高くなるようにしたいです。それが自分の考える活躍であり、仕事上の成功です。

自分なりの幸せな暮らし、質の高い仕事の仕方について整える期間はまだまだ続くことになりそうです。